成人先天性心疾患

1980年以降、先天性心疾患に対する手術治療が非常に発達し、多くの方が手術で回復し、成人まで到達されております。しかし、成人になっても、外来での定期的な通院、場合によって、お薬が必要になる患者もいます。また、再手術が必要になる患者もいます。一方で成人になってから先天性心疾患が見つかる方もいます。成人になってから見つかる病気として、部分肺静脈還流異常、心房中隔欠損症、心室中隔欠損症などの病気があります。
当院は宮城県内で唯一、成人先天性心疾患外来を創設し、循環器内科医、小児科医、心臓血管外科医で連携をとりながら、診療を行っております。複数のスタッフがあらゆる観点から、外科的治療、内科的治療などを考慮し、それぞれの患者さんに最適な治療を提供できるように、体制を整えています。
また、当科は先天性心疾患に対する手術治療の歴史が古く、黎明期に相当する1950年代より先天性心疾患を有する方に手術を行っています。その後、多くの方が成人になられ、再手術が必要な方への治療も数多く行っており、年間20−30例の手術経験の実績があります。
さらに、当院は日本成人先天性心疾患学会より総合修練施設の認定を受けています。成人先天性心疾患は特殊な病態を伴うことが多く、専門的知識と経験を要する分野であります。そのため、先天性心疾患治療の長い歴史がある当院では、成人先天性心疾患という難しい病態にも適切な治療を提供することができ、現在の先天性心疾患修練総合施設としての医療を実践できております。
子供の頃に先天性心疾患で治療を受けられた方で、現在病院にかかっていない方も、心臓の状態をより良くするために診察をいつでも受けられる体制を作っておりますので、外来に連絡いただければ、診察を行っております。また、何か症状がある方、今何か困っていることがある方も、いつでもご相談下さい。