外科外来予約022-717-7743(外科外来)

緊急時022-717-7499(救急部)

心臓血管外科では大動脈瘤・大動脈解離を中心とする大動脈疾患、狭心症等の虚血性心疾患や心臓弁膜症の後天性心疾患、心房細動治療を中心とする不整脈手術、重症心不全に対する体外式及び植込型補助人工心臓装着、心臓移植手術を行なっております。また、未熟児PDAや乳児期から学童期に至るまでの先天性心疾患、更には、成人先天性心疾患を対象 とした外科治療も行っております。

外来案内

初めて受診される方へ 木・金(予約制:原則10時〜12時)

待ち時間短縮を目的として、新患の紹介を 「予約制」 としております。
新患予約受付日:木曜・金曜(祝祭日、年末年始を除く)

専門医外来を受診される方へ 火・木・金 午前9時~午前中のみ

再来も原則として予約制となっております。
再来診察日:火曜、木曜、金曜の午前中のみ(午前9時~)

担当表

外来名 火曜 木曜 金曜
新患 齋木佳克
(板垣皓大、大谷将之、武富龍一)
専門外来 術前外来 熊谷紀一郎
高橋悟朗
片平晋太郎
鈴木智之
大動脈疾患外来 (ステントグラフト
再来)
熊谷紀一郎
鈴木佑輔
板垣皓大
大谷将之
武富龍一
熊谷紀一郎
髙橋悟朗
片平晋太郎
鈴木智之
板垣皓大
大谷将之
武富龍一
成人先天性心疾患外来
(午後)
齋木佳克
髙橋悟朗
前田 恵
ペースメーカー外来 熊谷紀一郎
板垣皓大
大谷将之
武富龍一
補助人工心臓外来 片平晋太郎
鈴木佑輔
前田 恵
武富龍一
片平晋太郎
鈴木佑輔
前田 恵
武富龍一

受診の流れ等については「外来を受診される方へ」をご覧ください。

スタッフ紹介はこちら

臨床グループの編成

Ⅰグループ Ⅱグループ
スーパー
バイザー
(髙橋悟朗)
スーパー
バイザー
(熊谷)
チーフ片平 チーフ鈴木(智)
伊藤* 鈴木(佑)*
野村 前田
工藤


*はSGT担当

診療実績

東北大学心臓血管外科では、年間症例数として約250例の心臓大血管手術を施行しており、90%が後天性心疾患や胸部動脈瘤疾患などの成人例で10%が小児例です。先天性心心疾患については宮城関連病院である、みやぎこども病院を中心に対応しています。緊急性の高い患者さんの治療も担っており、大動脈疾患や虚血性心疾患の手術例のうち20%以上が緊急手術です。
症例の内訳と手術成績(在院粗死亡率)は以下に示す表の通りです。

2015 2016 2017 2018 2019 2015〜2019 2017年胸部外科
学会全国集計
(在院死亡率)
手術数 在院死亡率(%)
先天性開心術 30 21 25 17 16 1.8% 1.9%
先天性非開心術 15 27 24 9 15 4.4% 5.1%
弁膜症 57 76 63 57 61 1.6% 3.6%
単独 CABG on pump
CABG
7 9 9 12 12 4.1% 3.8%
off pump
CABG
14 11 11 11 7 0.0% 1.7%
心筋梗塞合併症に対する手術 0 0 2 0 2 0.0% 23.6%
不整脈手術 (併施) 15 16 0 46 5 0.0% 2.8%
収縮性心膜炎に対する手術 3 0 0 6 2 27.2% 12.0%
心臓腫瘍 1 3 4 2 2 0.0% 2.6%
HOCM 及び DCM 1 1 0 0 0 0.0% 6.0%
胸部腹部大動脈瘤 52 24 46 34 21 2.0% 4.9%
急性A型大動脈解離 11 13 18 18 21 8.6% 10.8%
TEVAR 32 29 48 37 36 2.9% 5.5%
VAD(体外式、植込み型) 10 23 18 15 12 19.2% 4.1%
心臓移植 3 0 3 3 5 0.0% 1.8%
その他の開心術 4 10 1 4 4
合計 249 263 272 241 246
参考 TAVI 12 12 27 40 37 0.0% 1.2%

当院での手術成績は、過去5年間の在院死亡率が、弁膜症手術 1.6%、冠動脈バイパス手術 1.9%、胸部大動脈手術 3.5%となっております。これらの成績は、疾患の重症度や緊急性によって大きく影響を受けますが、2017年の日本胸部外科学会の学術調査結果によれば、全国の後天性心疾患の弁膜症手術、冠動脈バイパス手術、胸部大動脈瘤手術の平均死亡率は3.6%、2.6%、6.8%となっており全国統計と比較しても優れた成績となっています。
さらに当施設では日本成人心臓血管外科データベース(JACVSD)に設立当初から参加し、我が国における疾患重症度に応じた手術成績の算定に積極的に貢献しています。これによって、手術成績に関するより正確な施設評価等が可能になるものと期待されています。

MEMO

当院は特定機能病院、心臓移植実施施設、植込型補助人工心臓実施施設、成人先天性心疾患学会認定総合修練施設であり、高度先進医療を積極的に行っている施設です。また、三次救急指定病院であり、地域救急医療の重要な拠点になっています。

2013年4月からハイブリッド手術室が稼働しています。ハイブリッド手術室は、高性能の血管撮影装置を組み込んだ新世代手術室です。その設備を利用することで、高齢、フレイル等により侵襲的治療の適応が難しいと判断される患者に対しても、ステントグラフト内装術、TAVI(経カテーテル的大動脈弁置換術)をはじめとした低侵襲治療を行なっております。また、仮性瘤に対するコイル塞栓術等の治療を放射線科と合同で行っています。

2016年から僧帽弁形成術、大動脈置換術、心房中隔欠損閉鎖術に対しては、適応症例を選び、MICS(Minimally Invasive Cardiac Surgery:低侵襲心臓手術)を積極的に行なっております。

当院は、東北6県にまたがる関連施設の中心的役割を担う施設であり、関連施設から高度の重症疾患、合併症を有する症例を積極的に受け入れて対応しております。そのため、最近は、高齢者再手術の弁膜症症例、広範囲大動脈瘤や胸腹部大動脈瘤に対する手術、補助人工心臓装着術の症例が増加傾向となっています。

腹部大動脈瘤および末梢血管疾患症例に対する手術は、当院では総合外科血管班が担当しておりますが、境界領域の治療に対しては連携して対応しております。
このように、当院では、心臓血管外科領域を網羅し、複合緊急疾患を有する高齢者や重症患者の集学的医療に対応できるように、循環器内科、放射線科、総合外科、麻酔科、集中治療部など他科との連携し、密接な協力体制のもとに、最善の治療を提供するべく、患者さんに最適と思われる治療を選択し治療しています。 手術適応は、循環器内科、小児循環器科との合同症例検討会にて最終的に決定しており、特に、TAVI症例に関しても、TAVIハートチームカンファレンスを定期的に開催し、適切な手術適応症例を選択しております。また、チーム医療推進の要として、特定医療行為を行う診療看護師(略称NP)3名を2019年より導入しています。手術前から手術後退院に向けて、医師と伴走し一貫して治療に従事する彼らは、新しい医療体制の構築に大きく寄与しています。

診療看護師(NP)と医師 ICUラウンドの様子

また、高度な外科治療の提供が私たちの義務と考え、 外来診療では紹介患者さんの診断及び治療方針の決定と、術後早期の患者さんケアおよび術後遠隔期のCTフォローを含めた画像診断フォローを中心として、長期にわたり患者さんを見守っています。病診連携と その発展のため、術後安定期に入られた患者さんは地元のクリニック等にかかりつけ医になっていただき、診療して頂くことを心掛けています。

診療内容紹介

当科では、大動脈瘤に代表される大動脈疾患、弁膜疾患、虚血性心疾患、先天性心疾患などを治療対象とし、年間約250例施行しています。
2003年には心臓移植施設に認定され、これまで26件の心臓移植手術を行いました。

心臓の役割

心臓は握りこぶし1つ分ほどの大きさで、血液を全身に送り出すポンプの働きをしています。
ポンプの機能を果たす原動力は「心筋」という心臓の筋肉です。心筋により心臓は収縮し、多量の血液が送り出されます。
肺で酸素を受け取った血液は、心臓から全身を回り酸素を届け、二酸化炭素や老廃物を回収して心臓に戻ってきます。
また肺で酸素を受け取り、全身へ酸素を届けます。心臓はこの動作を規則正しいリズムで繰り返し行っています。