私は、2018年10月10~12日にシカゴで開催されたAmerican Heart Association Scientific Sessions 2018で、私の大学院研究テーマである脊髄虚血の実験結果を報告させていただきました。会場はシカゴのMcCormick Placeという会場であり、日本の学会では考えられないくらい大きな会場でした。企業展示も各大企業がしのぎを削るかのように豪華な展示が多数されており、さすが世界でも有数の学会なのだと感じさせられました。
当然のことではありますが、アメリカは英語が第一言語であり質疑応答においてしっかりと質問の意義を認識し、それを相手にわかるようにしっかりと伝えられるかという点が不安材料でした。しかし、実際には学会上には非常に多くの国の方々が参加しており、英語の癖もだいぶ違っておりました。私自身刺激になったのは、恐らく同年代であると思われるアジアの国の方々が非常に流暢に英語を話し、activeな議論をしている姿が印象的でした。
今回私が発表した演題は、New Treatment Concept for Spinal Cord Ischemic Injury with Nanobubble Technologyというものであり、過去に多くの先生方が実験し、当科において確立されたモデルであるウサギ対麻痺モデルを引き継がせていただき、nanobubbleという1μm以下の気泡が持つ特異な性質を利用して人工髄液を酸素化し、対麻痺発症後にその酸素化人工髄液を灌流することにより脊髄治療効果を示し、脊髄組織における炎症抑制効果があったというものです。Rapid fire mini-oral presentationという5分発表/10分質疑応答という発表形式でした。今後のさらなる研究推進において有益なご質問をいただき、自分の研究をまた違う視点から見ることができ非常に有意義な時間を経験させていただくことができました。
今回この大規模な学会での発表を通して得た刺激をプラスにかえて、今後も国際学会発表の場に立てるよう精進していきたいと思います。