この度、ニューオーリンズで行われたAHA Scientific Sessions 2016に参加させて頂きました。ヒューストン経由で成田から約十五時間という長旅でした。ニューオーリンズはミシシッピ川の下流に位置し、11月でしたが非常に温和な気候でした。
以前ジャズの街として有名なようでしたが、中心街であるフレンチクォーターに実際に行ってみると現在はどちらかというとロックが主体のように感じられました。夜の街は人があふれ、非常ににぎやかであり、通りに並んだお店から様々な音楽が聞こえてきました。地元の方は音楽がやはり好きなようで、多数あるロックやジャズのお店から自身の気に入った音楽のお店に足を運んでいるようでした。また、料理に関しては、ヨーロッパやアフリカなどの様々な料理文化を融合したクレオール料理や、カナダからやってきたとされるケイジャン料理など種類が豊富であり、ユニークな食文化を堪能できました。
今回の自身の発表は21trisomyの患者さんにおける閉塞性肺血管病変の病理組織学的な特徴をNon 21 trisomyの患者さんのものとpropensity score matchingなどの手法を用いながら比較検討しまとめたものでした。これは故八巻重雄先生がやられていた肺生検病理診断を引き継ぎまとめさせて頂いたものです。近年は多くの分野において分子生物学的な手法を用いた研究が主体となっておりますが、本研究は、原点に立ち返り、病理組織形態学的な観点から改めて21trisomy患者における肺血管病変を見つめなおすという、古いようで新しい研究テーマであると考えております。お陰様で多くの先生方に興味を持っていただき、多数のご質問を頂きました。昨年に続き2度目の発表であり、昨年に比べれば少し余裕をもって臨むことができ、たどたどしい英語ながらも何とか返答し、無事発表を終えることができました。また、循環器内科を中心とした学会ではありますが、外科系のsessionも数多くあり、著明な先生の講演やあらたな知見に関する発表など多くの刺激を受けました。
最後になりましたが、このような海外発表の機会を与えて下さり、齋木先生はじめ、医局の先生方にこの場を借りて感謝申し上げます。今後も世界にいろいろと発信していけるよう日々研鑽を積んで行こうと思います。