入局者募集

明日のCardiovascular Surgeonを志す若手外科医師の入局を募集しています。

若手外科医師の入局をお待ちしています。
心臓血管外科に興味のある医学生、外科修練医の方はお気軽にお問い合わせください。

令和2年度は4名の博士課程大学院生を迎えました。

令和二年度には初期研修および後期研修を終えた新進気鋭の大学院生3名と海外からの留学生1名が博士課程に入学されました。
コロナ禍での研究活動制限の壁を乗り越え、それぞれがワクワクできる研究テーマを持ってイキイキと研究生活を開始しています。

臨床、研究ともに重視した指導体制をとり、経済的にも安定した収入が得られるよう配慮しております。

心臓・大血管外科領域の全ての治療を学べます。

東北大学心臓血管外科では先天性心疾患、冠動脈疾患、弁膜症、大動脈瘤、重症心不全患者に対する手術を年間約250例施行しています。2003年には心臓移植施設に認定され、これまで26件の心臓移植手術を行いました。
また、植込み型補助人工心臓治療のデスティネーションセラピー実施施設に指定され、新たな治療選択肢を提供しています。
修練機関において、専攻医が全領域のトレーニングを積めるところに特色があります。

関連病院

心臓血管外科の修練の場として、北は青森、南は茨城まで東日本に11の関連病院があり、それぞれ特色のある医療を行っている中で修練を積めます。また、専門医資格取得後には関連施設以外の全国の病院とも連携し、より修練に特化した修練を深めることも行ってます。その延長として、海外の施設での臨床修練も積極的に奨励しています。そのために必要な資格取得のための支援も行っています。
2010年から組織している、関連修練施設協議体を形成し、各専攻医の修練状況を見守り、全病院でオープンに情報を共有しています。
さらに、専攻医から修練状況及び指導医により指導の状況についてのフィードバックを得て、トレーニングの効率化と教育体制の改善を図っています。

研究心を育む

私たちの眼前の臨床には幾重もの疑問が連なっていて、それらの疑問は明日の医療をさらに改善してゆくための原動力になります。私たちが研究活動を大切にしている理由はそこにあります。
具体的な研究に関しては心臓血管外科医局内に 1)移植、2)脳、脊髄、再生医療、3)医工学の研究グループ があり、それぞれのテーマにそって先端的研究がなされています。また、大学院生として入局された場合は、東北大学内外の関連研究室に出向して研究を行うことも可能です。海外の研究室とも共同研究を進めており、研究留学にも力を注いでいます。

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心臓血管外科専門医への道のり

心臓血管外科を志望して専門医を取るまでは初期研修終了後、外科専門医を取得したのちに一定の要件を満たしたところで受験することができます。新専門医制度(2016年卒以降より)では、最速で卒後7年目に心臓血管外科専門医の試験が受験可能となっています。

東北大学外科研修プログラムを例に検討した場合

外科研修では初期研修終了後に日本外科学会および日本専門医機構で認定されている、いずれかの外科研修プログラムに登録します。1年以上の消化器外科研修が義務付けられておりますが、心臓血管外科修練を早期に開始することもできます。
外科研修を終了後は心臓血管外科修練施設での勤務が専門医受験の要件となっています。
大学での研修を行うことも可能で大学院(概ね4年間)で研究をしながら、学位と専門医取得を同時に目指すことも可能です。大学院入学時期に関しては人それぞれですが卒後5年を経過したところでの入学が多いです。

  • 心臓血管外科の場合、基礎的な手技として体中の血管の露出や、バイパス手術などのテクニックが求められること、全身臓器に影響する手術が多いことから消化器外科や呼吸器外科などで心臓以外の臓器の簡単な周術期管理やリスク評価ができる必要があります。
  • 外科研修では登録プログラム次第ですが、研修先を1箇所に絞る必要はありません。心臓血管外科修練を連動させる場合には、関連病院での研修を勧めることもあります。
  • 心臓血管外科の手術をする対象は「弁膜症、冠疾患、先天性心疾患、大動脈、重症心不全」など多岐にわたります。胸腹部大動脈瘤などの広範囲動脈瘤手術や補助人工心臓、心臓移植、先天性心疾患に関する経験は市中病院での修練のみでは経験が不足する場合もあるので大学病院やこども病院での研修など柔軟に対応します。
  • 海外留学経験者も多く医局に在籍しており希望者はやる気に応じて推奨します。

心臓血管外科に興味のある学生、研修医、外科研修中の専攻医の先生方は
ぜひ一度ご相談ください!

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大学院生の実習・実験

手術練習 Wet labo

予定手術前などにブタの心臓を使用し手術手技の確認・練習が可能です。

実験

教室の研究の3本柱
1.医工連携プロジェクト(デバイスやモニタリングシステムを開発)
2.組織工学と細胞移植による再生医療
3.侵襲に対する生体防御機構の修飾

当科では大学院生がお互いに協力し、各自のテーマに沿った動物実験モデルを考案・作製し、スタッフ指導のもと実験を行っています。動物用手術室、透視室、中央動物実験棟などの充実した施設を利用でき、様々なプロトコールを組むことができます。対象動物もマウス、ウサギ、イヌ、ブタと多岐にわたります。
また、学部内の他分野や工学部・流体科学研究所・学外の産業総合研究所等々と連携し、病理組織学的検討、細胞実験、生理学的実験、遺伝子実験、デバイス開発など幅広いテーマからの選択も可能です。

専門医修練カリキュラム

専門医カリキュラム概要

一般目標

外科専門医としての医療技術、知識を基礎にし、更に専門職としての心臓血管外科診療を実践できる専門医を養成するため到達目標を定め研修を実施する。研修期間は外科専門医資格取得後標準を3年とする。

※2021年8月現在:日本専門医機構におけるサブスペシャルティ制度整備指針の内容更新に伴い改定が見込まれます。新しいカリキュラムはご要望に応じて個別にデータでお送りする予定です。

専門医カリキュラム概要

心臓血管外科診療に必要な下記の基礎的知識を習熟し、臨床に即した対応ができる。
基礎とは心臓血管外科に必要な局所解剖、先天性心疾患、後天性心疾患、大血管疾患、末梢血管疾患の病態生理、輸液栄養学、循環管理学、救急疾患への対応、心室補助、心臓移植の適応判断、心不全の外科治療などすべてを包括する。

解剖と病態生理 心臓血管外科臨床に必要な心臓、大血管、末梢血管の局所解剖を理解する。また、先天性心疾患、後天性心疾患、大血管疾患、末梢血管疾患の病態生理を理解し、その治療体系に習熟する。それらの疾患の手術適応や手術方法の適切な判断をおこなえる知識を習得する。

周術期の管理 疾患の特性、術後合併症、術式特性、手術侵襲などの病態を把握し検査計画、治療計画を立て指示することができる。合併疾患に対する対応ができている。

輸液と輸血 臓器、疾患、術式などの特異性に合わせた水、電解質、酸塩基平衡を考慮し、周術期の補正輸液、維持輸液、輸血を行うことができる。心不全、呼吸不全、腎不全、ショック、糖尿病など併発症、合併症をもつ症例に対し、疾患別病態別の輸液計画を立て実施することができる。

栄養と代謝 患者の病態や疾患に応じた必要熱量を計算し、適切な経腸、経静脈栄養剤の投与、管理ができる。

外科的感染症 臓器や疾病特有の細菌の知識を持ち、抗菌剤を適切に選択、投与することができる。AIDS、肝炎その他感染症を併発した患者に対する外科処置についての知識を持ち、対処法について述べることができる。重症感染症に対する病態の把握に基づいた対応ができる。

血液凝固と線溶現象 基礎疾患の特色、病態の理解に基づき出血傾向に対する処置、管理ができる。血栓症の予防、診断および治療の方法について理解を持ち、的確に対応できる。術後抗凝血療法の方法について理解を持ち、的確に対応できる。術後抗凝血療法の適応と方法を習得する。

心臓血管外科診療に必要な知識、検査、処置の手技に習熟し、それらの臨床応用ができる。
下記の検査手技ができる。(注2)
検査、処置 手技の意義、適応を理解し、個々の症例の病態に合わせ適切な検査、治療計画を立てて遂行することができる。
循環器疾患救急の対応、診断、治療 すべての循環器領域の救急に対するプライマリーケアができ、緊急手術の適応を判断し、それに対応することができる。
(注2) 動脈血採血、 Swan-Ganz カテーテル挿入、心臓カテーテル検査、心血管造影検査

一定レベルの手術の意義、適応を理解し、適切に実施できる能力を習得し、臨床応用できる。
行動目標
心臓血管外科に包含される全領域の手術を実施することができる。術者または助手として経験する各領域の最低症例数は心臓血管外科専門医認定機構により心臓血管外科専門医認定に必要とされた症例数に準ずるものとする。
(注3)
術者となるときは指導医のもとに執刀する。
(注4)
1) 研修期間中に術者または助手として200例以上を経験する。
2) 前記の心臓血管外科専門医認定基準の領域別分野の最低症例数を術者または第一助手として経験する。
3) 前記の領域別分野にかかわらず、術者としての経験が50例以上であること。ただし、4年次以降に下級医師の執刀、指導のために助手をしたときは術者の症例数とみなすことができる。
修練方略 : 当施設ならびにあらかじめ登録した所定の関連施設で上記手術目標症例数を達成する。

到達目標4:医の倫理に配慮し、心臓血管外科の診療を行う適切な態度習慣を身につける。
行動目標
・指導医、上級医、下級医とともに診療に参加することにより、グループ診療と協調による心臓血管外科診療を行うことができる。
・コメディカルスタッフと協調、協力してチーム医療を体験し、これを実践することができる。
・心臓血管外科診療における適切なインフォームドコンセントを得ることができる。
・1年上級であれば下級医や学生の診療を指導することができる。
・確実な知識と不確実なものを明確に識別し、知識が不確実なときや判断に迷うときには文献や指導医の助言などの教育資源を活用することができる。

到達目標5:心臓血管外科学会の進歩に合わせた生涯学習を行う方略、方法の基本を習得、実行できる。
行動目標
1) カンファランス、その他の学術集会に出席し積極的に討論に参加することができる。
2) 専門の学術出版物や研究発表に接し、批判的吟味をすることができる。
3) 学術集会や学術出版物に症例報告や臨床研究の結果を発表することができる。
4) 学術研究の目的で、あるいは症例の直面している問題解決のために資料の収集、文献検索を独力で行うことができる。

毎週木曜日午後に豚心臓を用いた種々の心臓血管手技の練習を行っています。
主な手術手技としては大動脈弁置換術、僧帽弁置換術、僧帽弁形成術、冠動脈バイパス術、大動脈基部置換術で、それぞれの指導医の指導の下に行っています。
また、担当している患者の手術手技の術前練習として、Ross手術、フリースタイル弁手術手技を行う事もあります。

カリキュラム目標達成

一般外科修練後、心臓血管外科専門医認定機構の臨床経験評価方式に従い3年間で250点以上、5年間で500点以上を目標とする。各項目について1年毎A(優)、B(中)、C(劣) 3段階の自己評価と指導医による評価を行う。指導医による評価が到達目標 B に達しないときは再評価を必要とする。

1年時
年間40点以上
・基本的手術手技
・難易度 A)、B) 手術の第一助手
2年時
年間80点以上
・基本的手術手技
・難易度 A)、B) 手術の第一助手
・難易度 A) 手術の術者
3年時/4年次
年間130点以上
・基本的手術手技
・難易度A)、B)、C) 手術の第一助手
・難易度A)、B) 手術の術者
5年時
年間130点以上
・基本的手術手技
・難易度A)、B)、C) 手術の第一助手
・難易度A)、B)、C) 手術の術者
ただし難易度C) の術者はTOF、DVR、MAZE、CABG、Fontan型手術にかぎる。
モデルプラン

(目標点数500点)
モデルプラン作成にあたっては以下のことに留意しました。年間約44週間、施設全体あるいはチームの手術数が週2回として算定。1、2年次には毎回手術毎に基本手技を算定。3年次以降は週1回術者あるいは第一助手として手術に入ることとして算定する。従って3年目以降の基本手術手技は2回の手術毎に1回算定。

1年目 2年目 3年目 4年目 5年目
基本的手術手技(件数)
a) 44 44 22 22 22
b) 44 44 22 22 22
難易度 A) 手術(件数)
術者 0 5 10 5 5
第一助手 5 5 5 5 5
難易度 B) 手術(件数)
術者 0 0 10 10 10
第一助手 3 15 15 15 15
難易度 C) 手術(件数)
術者 0 0 0 0 5
第一助手 0 0 5 10 10
年間点数 39.8 83.3 135.4 132.9 147.9
3年間 合計点数 258.5
5年間 合計点数 539.3
年間 第一助手件数 5 29 25 30 25
年間術者件数 0 5 20 15 20
3年間 第一助手件数 50
3年間 術者件数 25
5年間 第一助手件数 105
5年間 術者件数 60
外科専門医になるまでの目標

・心臓血管外科領域全体を包括した専門医として知識、臨床的判断力、問題解決能力を習得する。
・手術については通常の心臓血管外科手術を適切に遂行できる技術を習得する。
・医学、医療の進歩に合わせた生涯学習を行う方略、方法の基本を習得する。
・自らの研修とともに上記項目について後進の指導を行う能力を習得する。

留学レポート

東北大学心臓血管外科では、若手の海外留学を積極的に支援しています。
これまで多くの医師が研究留学または臨床留学しています。当科ではこれまで中国・タイ・フィリピン・スーダンの留学生を迎えています。


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海外発表報告

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